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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻7号

2002年07月発行

文献概要

論述

高齢者の急性腰痛症における脊椎圧迫骨折の頻度とX線診断の精度

著者: 大川淳1 四宮謙一1 河内敏行2

所属機関: 1東京医科歯科大学脊椎脊髄神経外科学 2諏訪中央病院整形外科

ページ範囲:P.799 - P.803

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 抄録:急性腰痛により体動不能の状態で初診後,入院管理した70歳以上の高齢者92名を対象とし,X線像での暫定診断とMRIでの確定診断とを比較した.新鮮骨折は75例(81%)に認められ,MRI上骨折像を認めなかったのは9例(10%),偽関節は8例(9%)であった.新鮮骨折群のうちX線診断をMRIで追認した診断的中群は35例であった.MRIの診断と完全に一致したのは29例と全体の1/3にすぎなかった.MRIにより新たに骨折が発見されたX線診断不能群は40例であり,そのうち21例が多発骨折のため部位の推定が困難,19例がX線像による暫定診断と全く異なる部位に骨折を認めた.以上から,受傷機転を考慮に入れてもX線診断の精度はきわめて低いと言わざるを得なかった.自分で動けない程度の急性腰痛を有する高齢者ではX線像で診断が確定しなくとも,新鮮な脊椎圧迫骨折を有する可能性が高いと考えるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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