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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻7号

2002年07月発行

文献概要

手術手技 私のくふう

脊髄砂時計腫に対する鏡視下手術の応用

著者: 矢吹省司1 菊地臣一1 紺野慎一1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.827 - P.832

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 抄録:脊髄砂時計腫に対する鏡視下手術を応用した術式を紹介し,その有用性について検討した.術式は,まず後方アプローチにより,腫瘍を神経上膜から剥離して後方操作を終了する.腫瘍と神経との剥離が困難な場合には,腫瘍をつけたまま神経根を硬膜分岐部で結紮して切離する.次いで,体位を側臥位とし,胸腔鏡視下または後腹膜腔鏡視下に前方アプローチで腫瘍を摘出する.本術式によって砂時計腫の摘出が行われた7例(胸椎部5例,腰椎部2例)について検討した.手術時間は,1時間1分~5時間45分(平均3時間9分)であった.術中出血量は,10ml~800ml(平均363ml)であった.術中・術後に重篤な合併症は1例も認められなかった.術後平均経過観察期間は52カ月であるが,腫瘍の再発は認められていない.胸腔鏡や後腹膜腔鏡を用いた鏡視下手術を導入することにより,従来の手術よりも低侵襲に脊髄砂時計腫の摘出が可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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