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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻7号

2002年07月発行

文献概要

臨床経験

椎体圧潰を来した脊椎カリエスの診断―骨粗鬆性圧迫骨折・転移性脊椎腫瘍との鑑別

著者: 岩名大樹12 井澤一隆1 北村卓司1 鍋島隆治1 米延策雄3

所属機関: 1国立療養所刀根山病院整形外科 2現:市立吹田市民病院整形外科 3国立大阪南病院整形外科

ページ範囲:P.859 - P.866

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 抄録:単純X線写真上椎体の圧潰が主たる所見で,脊椎カリエス,脊椎転移性腫瘍,骨粗鬆性圧迫骨折の鑑別診断が困難であった症例を分析し,どのようにすれば早期診断につながるかを検討した.対象は脊椎カリエス(C群)10例,肺癌転移性脊椎腫瘍(M群)8例,骨粗鬆性圧迫骨折(O群)10例でいずれも単純X線写真のみでは診断が不確実で鑑別を要したものであり,各群の病歴,症状,画像所見,検査所見について統計学的に比較検討した.病歴,症状,検査所見には有意差を認めなかったが,画像所見では,特にCT,MRI検査にてカリエスに感度,特異度の高い所見を認めた.鑑別診断が困難であった理由について検討したところ,C群では全例初期診断の遅延や誤りがあった.統計学的には画像診断が鑑別診断に有用であったが,誤診例や鑑別に苦慮した例を考慮すると,生検による組織診断はもちろん既往歴,合併症,症状経過,治療への反応など,総合的な検討も重要であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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