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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻7号

2002年07月発行

文献概要

症例報告

開窓術施行後に脊柱管内滑膜嚢腫が発生し,神経根障害が再発した腰椎変性すべり症の1例

著者: 藤由崇之12 藤塚光慶1 丹野隆明1 早川徹1

所属機関: 1松戸市立病院整形外科 2現:君津中央病院整形外科

ページ範囲:P.875 - P.878

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 抄録:われわれは,第5腰椎変性すべり症に対し開窓術を施行後,脊柱管内滑膜嚢腫が発生した1例を経験したので報告する.症例は77歳女性.右下肢痛,500mの間欠性跛行を呈し入院.脊髄造影・ミエロCTでは,L5/Sの黄色靭帯肥厚と関節水腫を有する高度の椎間関節変性変化を認め,右L5-S片側開窓術を施行したが,術後1カ月より右下肢痛が再発した.再入院時,MRIで脊柱管内にT1低信号,T2高信号の嚢腫様陰影を認め,右椎間関節造影後CTにて,椎間関節と連続する嚢腫陰影を認めた.再手術として,L5-S椎弓切除術,嚢腫摘出術,後側方固定術を施行した.病理組織は,滑膜嚢腫であった.本症例における滑膜嚢腫の発生メカニズムは,初回手術後,極めて短期で形成されており,術後の不安定性増大によるというよりも椎間関節内側切除により,関節包・黄色靭帯の脆弱部が発生し,滑膜嚢腫が形成されたと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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