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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻7号

2002年07月発行

文献概要

症例報告

腰部黄色靱帯内血腫により右下肢痛を生じた1例

著者: 熊澤慎志1 酒井浩志1 渡邊友純1 清水克時2 辻耕二2 竹田賢一3

所属機関: 1揖斐総合病院整形外科 2岐阜大学医学部整形外科 3竹田整形外科

ページ範囲:P.879 - P.882

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 抄録:腰部黄色靱帯内血腫により右下肢痛を生じた1例を経験したので報告する.症例は86歳,女性.1999年12月29日より誘因なく歩行時に右下肢痛が出現し,当科を受診した.既往歴はなく,血液生化学検査において異常は認めなかった.MRI像にてL4/5高位にT1強調画像で高信号,T2強調画像で等~低信号を呈するmassがあり,硬膜を後方より圧排していた.発症後3.5カ月にて第4腰椎椎弓切除術を施行した.術中所見において,鏡視下に黒褐色液の流出を認め,硬膜に隣接して黄色靱帯内に暗褐色のmassを認めた.病理組織所見としては,靱帯組織内に一部石灰化を伴った血腫が存在し,被膜は硝子化した結合組織から成っていた.血腫発生のメカニズムとしてminor traumaによる弾性線維の断裂・変性後の出血・血腫形成と考えられるが,術前診断は難しく,本症例では術中顕微鏡を用いたことによる血腫の存在の確認が診断に役立ったものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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