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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻7号

2002年07月発行

文献概要

症例報告

持続硬膜外カテーテル抜去後に急性硬膜外血腫による完全麻痺を呈した症例

著者: 松本和1 宮本敬1 鷲見浩志3 高木幸浩4 松本茂美2 鷲見靖彦5 清水克時1

所属機関: 1岐阜大学医学部整形外科 2岐阜大学医学部麻酔科 3白鳳会鷲見病院整形外科 4白鳳会鷲見病院外科 5白鳳会鷲見病院

ページ範囲:P.883 - P.886

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 抄録:症例は75歳,女性.胆石症にて腹腔鏡下胆嚢摘出術の際,Th10/11より持続硬膜外麻酔を施行.術後4日目にカテーテル抜去がスムーズに行われた.その直後,背部不快感出現したが数分の安静にて消失した.しかし,抜去後1時間半に左下肢脱力を自覚し,症状出現から1時間以内でTh11以下の完全麻痺を呈した.CT,MRIにてTh9-Th11に及ぶ占拠性病変を認め,急性硬膜外血腫と診断.緊急除圧術を施行した.術後6カ月の時点で知覚は改善したが,運動麻痺が残存した.硬膜外麻酔の合併症として硬膜外血腫は稀ではあるが,特に本症例のような胸椎部発生例では重篤な神経障害を来しうるため,本疾患を念頭に置くこと,および迅速な対応が必要不可欠であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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