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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻8号

2002年08月発行

文献概要

論述

キアリ奇形に伴う脊髄空洞症の手術成績―特に疼痛の改善と空洞の局在に着目して

著者: 中村雅也1 千葉一裕1 田村睦弘1 西澤隆1 丸岩博文1 松本守雄1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科

ページ範囲:P.911 - P.916

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 抄録:多彩な症状を呈する脊髄空洞症において疼痛は主徴候の1つであるが,脊髄に起因する疼痛の発生メカニズムはいまだ不明な点が多いため,治療効果は一定せず術後改善の予測も困難である.今回われわれは疼痛発生機序の解明に資する知見を得るため,脊髄空洞症の疼痛の改善と術前後のMRI所見を比較検討した.空洞はその局在により中心型,偏在型,モザイク型,膨大型の4型に分類した.その結果,空洞が術前MRI横断像で疼痛発生部位と一致する髄節レベルの後外側に偏在する場合は,術後も後外側部に残存する頻度が高く,術後疼痛の改善は不良であった.また,術前に最も高頻度にみられた膨大型は,中心型に移行するか,空洞が消失した場合に疼痛の改善は良好であったが,偏在型に移行した場合には疼痛の改善は不良であった.キアリ奇形に伴う脊髄空洞症による疼痛の発生および術後改善には,脊髄後角部神経細胞の関与が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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