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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻8号

2002年08月発行

文献概要

整形外科基礎

慢性圧迫下の神経根内血流障害に対する5-HT2A受容体拮抗薬の効果―セロトニンによる血管収縮反応抑制効果の検討

著者: 関口美穂1 菊地臣一1 紺野慎一1 岩渕真澄1 五十嵐章1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.917 - P.921

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 抄録:慢性圧迫モデルにおける神経根内血流障害に対する5-HT2A受容体拮抗薬の効果について検討した.雑種成犬20頭を用いて慢性馬尾圧迫モデルを作製した.実験系は,セロトニン0.5μM投与群(S群;n=5),5-HT2A受容体拮抗薬(5-HTRA)投与後セロトニン0.5μM投与群(A群:5-HTRA 0.5μg/ml,n=5,B群;5-HTRA 0.05μg/ml,n=5),セロトニン0.5μM投与後5-HTRA0.5μg/ml投与群(C群;n=5)の4群を設定した.セロトニン投与後10分ごとに神経根内血管の血管径と血流量の計測を行った.S群とC群ではセロトニン投与後に血管の収縮が認められた.これに対し,A群とB群では血管収縮反応は出現しなかった.すなわち,5-HT2A受容体拮抗薬はセロトニンによる慢性圧迫下での神経根内血管収縮反応を抑制する効果がある.神経根内血管の血流量は,S群ではセロトニン投与により減少したが,A群,B群,およびC群では,血流量の減少が抑制された.以上の結果から,5-HT2A受容体拮抗薬は,腰部脊柱管狭窄による神経根内血流減少を改善する可能性があるといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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