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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻8号

2002年08月発行

文献概要

整形外科philisophy

医療における国際化とグローバル化の意味

著者: 山室隆夫12

所属機関: 1京都大学 2財団法人生産開発科学研究所

ページ範囲:P.929 - P.933

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●初期の国際化
 近代国家の国際化は,当然のことながら,国や人々の利益のために互いに交易を行い,情報や技術を交換したことに始まる.即ち,国際化の初期段階では双方の利益追求ということが共通の目標であったといえよう.そのような国際化は国家レベルのみでなく,個人や種々の集団のレベルでも急速に進んできたが,1970年代迄はあくまでも自国対外国という発想が国際化の基本にあって,地球全体をみるというグローバルな発想は殆ど無かったように思われる.
 医学の領域においても同様で,わが国では知識や技術の導入のため海外留学が奨励され,外国の医学雑誌が読まれ,多くの国際学会が日本でも開催されるようになるなど,国際化が進んできた.しかし,およそ1970年代迄は日本医学の国際化の相手は殆どが欧米先進国ばかりであったように思われる.欧米先進国から学び,先進国の仲間入りをしようというのが20世紀後半における多くの発展途上国の悲願であったが,第二次世界大戦後のわが国も例外ではなかったのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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