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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻8号

2002年08月発行

文献概要

運動器の細胞/知っておきたい

グリア細胞(Glia,Glial cells)

著者: 澤田誠1 田中謙二1

所属機関: 1藤田保健衛生大学総合医科学研究所

ページ範囲:P.944 - P.947

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【はじめに―グリア細胞とは5)
 中枢神経系はひとつの器官系であって複数の組織から成り立っている.それは,外胚葉由来の神経細胞とグリア細胞ならびに中胚葉由来の内皮細胞とそれに付随する平滑筋組織,脳膜などの結合組織を含む.このうちグリア細胞は神経細胞の周囲を隙間なくとりまき,物理的な支持細胞として働くばかりでなく,神経細胞の活動を維持するために積極的に働いている.グリア細胞は,中枢神経系の容積のほぼ半分を占めるといわれているが,細胞数は神経細胞の10倍程度存在する.出生後まもなく分裂増殖能を失う神経細胞とは異なって,グリア細胞は動物の生涯を通して盛んな分裂増殖能を維持し続けていて,様々な原因で神経細胞やグリア細胞が死滅した場合にはその周辺にあるグリア細胞が分裂してその欠損部分の隙間が充塡される.
 グリア細胞はその性質や形態の違いからアストロサイト(星状細胞,astrocyte),オリゴデンドロサイト(乏突起膠細胞,oligodendrocyte),ミクログリア(小膠細胞,microglia)の3種類の細胞に分類される(図および表).また,アストロサイトとオリゴデンドロサイトは外胚葉性で発生初期の神経上皮から分化したものであり,中胚葉由来のミクログリアと対比して,両者をまとめてマクログリア(macroglia,大膠細胞)と呼ぶこともある.さらにそれぞれの細胞は存在様式や形態,性質の違いのあるサブタイプに分類される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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