icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻8号

2002年08月発行

文献概要

臨床経験

後十字靱帯温存型セラミックス製LEA人工膝関節の開発コンセプトとその2~8年成績

著者: 安田和則1 井上雅之3 東裕隆1 谷岡寛子1 遠山晴一1 真島任史2 青木喜満2 三浪明男2

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科外科治療学講座生体医工学分野 2北海道大学大学院研究科外科機能再建医学講座運動器再建外科分野 3NTT東日本札幌病院整形外科

ページ範囲:P.961 - P.969

文献購入ページに移動
 抄録:本研究の目的は,セラミックス製LFA-Ⅰ人工膝関節によるTKA症例の2~8年成績を明らかにすることである.本機種は日本人膝関節からデザインした後十字靱帯を温存できる構造を有するアルミナセラミックス製大腿骨コンポーネント,ポリエチレンインサート,およびチタン合金製モデュラー型𦙾骨コンポーネントから構成される.両コンポーネントの固定には全例で骨セメントが用いられた.評価できた症例は81人105膝(調査率92.2%)であり,手術時年齢は42~83歳(平均66歳)であった.OAは42人50膝,RAは50人63膝であり,2~8年(平均5.0年)の経過観察を行った.経過中に再置換術が行われた症例は,チタン製トレイ内側の破損例1膝と遅発性感染例1膝の計2膝であった.それ以外の膝では,経過観察時のJOA評価はOAで術前平均50点が術後平均80点に,RAで術前平均35点が術後平均79点にそれぞれ著明に改善していた.ROMに関してはOAでは術前平均107°が術後平均115°となり,RAでは術前101°が術後109°となった.X線学的評価で弛みや骨融解は認めなかった.幅が1mm以下の限局した骨透亮線は,大腿骨側では前方骨切り面の近位部に2%の頻度で,𦙾骨側では𦙾骨トレイ直下の一部に4%の頻度で認められた.しかし,1mm以上の骨透亮線はどこにも認めなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら