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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻8号

2002年08月発行

文献概要

症例報告

硬膜内に発生した傍神経節腫の1例

著者: 市原大輔12 西澤隆1 渡辺雅彦1 中村雅也1 丸岩博文1 松本守雄1 千葉一裕1 戸山芳昭1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2現:国立栃木病院整形外科

ページ範囲:P.971 - P.974

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 抄録:硬膜内に発生した稀な傍神経節腫を経験した.症例は39歳,男性.1999年2月頃より右下肢しびれが出現した.MRIでは,L2椎体下縁からL3椎体下縁高位に内部に嚢胞を有しガドリニウムで強く造影される腫瘍を認めた.また,脊髄造影では,L3椎体高位に騎跨状陰影を認め,CT myelography(以下CTM)では馬尾が右側へ高度に圧排されていた.以上の所見より神経鞘腫を疑い手術を施行した.1本の神経根を頭尾側で切離することにより容易に全摘可能であった.病理組織所見ではHE染色にて腫瘍細胞が胞巣状に増生しているZellballen構造が認められ,傍神経節腫と診断された.術後1年2カ月の現在,両下肢に軽度のしびれを自覚するものの,MRI上再発も認めず経過良好である.馬尾発生の傍神経節腫は非常に稀であるが,悪性化や局所再発,髄腔内播種の報告もあるため,これらを念頭に置き注意深い経過観察が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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