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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻8号

2002年08月発行

文献概要

症例報告

広範囲腰椎椎弓切除術後の脱出ヘルニアに対し再手術を施行した1例

著者: 佐々木智浩1 宮本敬1 森敦幸2 児玉博隆1 細江英夫1 清水克時1

所属機関: 1岐阜大学医学部整形外科 2彦根市立病院整形外科

ページ範囲:P.975 - P.978

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 抄録:症例は82歳,男性.腰部脊柱管狭窄症(LSCS)に対する椎弓切除4年後に著明な腰痛・右下肢痛が出現.コルセットなどの外固定,および4 pad frame上に腹臥位で固定すると腰痛・右下肢痛は軽快した.広範囲椎弓切除後の腰椎不安定性と,L2/3における逸脱ヘルニアが本症例の病態と考え,ヘルニア摘出およびL1~L3後側方固定術を行った.術中,L1/2・L2/3不安定性を認め,後方瘢痕組織の存在がL3神経根の可動性を低下させ,逸脱ヘルニアによる圧迫をより重度のものとしていた.術直後より腰背部痛と右下肢痛は軽快し,術後5カ月の現在,JOAスコアは20点と著明な改善を示し,単純X線像においてインプラントの逸脱などは認めていない.広範囲腰部脊柱管狭窄症に対する脊椎固定を併用しない広範囲椎弓切除は,一般的に低侵襲とされ広く行われているが,逸脱ヘルニアと神経根の癒着が共存した本病態は,脊椎非固定椎弓切除の遅発性合併症のひとつとして念頭に置くべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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