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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻9号

2002年09月発行

文献概要

シンポジウム 橈骨遠位端骨折の保存的治療のこつと限界

橈骨遠位端骨折の保存的治療法―手関節背屈位ギプス

著者: 高畑智嗣1

所属機関: 1北海道社会事業協会帯広病院整形外科

ページ範囲:P.1049 - P.1053

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 要旨:背屈型の橈骨遠位端骨折(以下本骨折)に対する手関節背屈位ギプスの手技と成績を報告する.適応は掌側骨皮質の粉砕がなく,茎状突起骨折以外の尺骨骨折がない本骨折で,関節内骨折の場合は関節面の転位が小さい症例である.徒手整復では静脈内局所麻酔を用いて掌側骨皮質のズレもできるだけ整復する.前腕から手にプラスチックギプスを巻き,手関節を背屈し,手根骨背側部を圧迫して固定する.腫脹防止のために患肢の挙上と日常生活での使用を十分に指導して帰宅させる.ギプスは4週で除去する.本骨折38例(平均年齢62歳)を本法で治療した.Palmar tiltは初診時平均-20.8°が整復直後平均3.6°となり骨癒合後平均0.9°であった.骨癒合後に-10°未満の症例は5例であった.10週以上経過観察した31例の臨床成績はexcellentが20例,goodが11例であった.保存的治療法を改良し手技に熟練していくことで,変形治癒例や手術適応例を減らすことができると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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