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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻9号

2002年09月発行

文献概要

シンポジウム 橈骨遠位端骨折の保存的治療のこつと限界

高齢者の骨粗鬆症と橈骨遠位端骨折

著者: 進藤隆康1 徳永純一2 王寺享弘2 吉本隆昌2 小林晶2 松田和浩3

所属機関: 1進藤整形外科クリニック 2福岡整形外科病院 3松田整形外科クリニック

ページ範囲:P.1061 - P.1065

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 要旨:今回腰椎X線より判定した骨粗鬆症の程度が,橈骨遠位端骨折の骨折型と治療成績に与える影響を調査検討した.骨粗鬆症の進行につれて関節外骨折が多く,尺骨茎状突起骨折の合併が減少する傾向を認めた,受傷時の手関節にかかる力と方向,橈骨遠位端における背側骨皮質と関節面の骨強度の差TFCCの変性断裂などの関与が考えられた.骨粗鬆症の進行は,術後に骨折再転位を来しやすい傾向が認められた.特に受傷時の転位が強い例はその傾向が有意に認められた.治療法別の再転位は,徒手整復群が一番強く,次に経皮的キルシュナー鋼線刺入固定群,観血治療群の順に認められた.骨移植併用例が一番転位が少なかった.高齢者の場合転位,再転位に対し正確で強固な整復固定をすることも必要であるが,患者の活動性,骨粗鬆症の程度に応じた治療を行い,術後の疼痛・腫脹の管理・拘縮予防に対する処置を怠らないことも重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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