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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻9号

2002年09月発行

文献概要

症例報告

外傷後12年経過し症状を呈した異物による膝関節障害の1例

著者: 大橋隆1 森雄二郎1 吉川浩二2 山下博樹2

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院整形外科 2海老名総合病院整形外科

ページ範囲:P.1125 - P.1128

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 抄録:膝関節に迷入した異物が,外傷後12年経過し障害を引き起こした1例を経験したので報告する.症例は33歳男性.2000年5月初旬より特に誘因なく左膝関節の腫脹,疼痛が出現し当科を初診した.既往歴として1988年に交通事故にて脳挫傷,顔面骨骨折,左膝蓋骨開放骨折で加療を受けている.初診時左膝には関節水腫,軽度の伸展制限を認め,McMurrey testでは外側にclickを触れることから,外側半月板損傷の疑いで関節鏡を施行した.外側半月板をプロービングしていたところ約3mmのガラス片を𦙾骨側の軟骨損傷部分に認め,これを摘出した.この部分と接触する面の大腿骨顆部にガラス片によって削られたものであると推測される溝状の軟骨損傷を認めた.受傷当時の記憶が定かでなく,画像所見においても確認できない場合,異物の診断には難渋することがあり,詳細な病歴の聴取が重要であると痛感させられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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