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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻9号

2002年09月発行

文献概要

症例報告

競輪選手における両膝蓋上隔壁障害の1例

著者: 光野芳樹12 廣藤栄一1 西松秀和1 近藤啓1 吉田憲治1 池田光正1 伊藤岳之1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院整形外科 2現:小倉記念病院整形外科

ページ範囲:P.1129 - P.1131

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 抄録:膝関節腔内の隔壁,またはその遺残物である滑膜ヒダは時に膝関節痛の原因となる.今回われわれは,比較的稀な膝蓋上隔壁障害の1症例を経験した.症例は21歳男性で競輪学校生である.主訴は両膝関節痛(左側優位)である.術前,両側ともに膝蓋内側上部に圧痛を認めたが,圧痛部に一致した索状物,clickは認めなかった.1999年11月26日左膝関節,翌年1月18日に右膝関節鏡視下手術を施行し,膝蓋上隔壁切除を行った.両側ともに隔壁付着部に滑膜の増殖を認めた.左側の膝蓋上隔壁は膝蓋上包と膝蓋大腿関節を完全に隔てた完全隔壁であり,右側の膝蓋上隔壁は外側に一部穿孔を認めた.術後,両膝関節痛は消失し現在も再発していない.今回の疼痛の原因は,自転車をこぐという膝屈伸運動が繰り返され,隔壁に炎症,線維化が起こり緊張が強くなった結果,隔壁付着部に滑膜の増殖が起こったためと推測された.特に左膝関節では,完全隔壁であったことが,さらに隔壁の緊張を強くしていたものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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