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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科37巻9号

2002年09月発行

文献概要

症例報告

観血的整復を要した外傷性母趾IP関節背側脱臼の2例

著者: 柳橋寧12 石田博英1 渡辺隆洋1

所属機関: 1八雲総合病院整形外科 2現:哲仁会えにわ病院整形外科

ページ範囲:P.1133 - P.1136

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 抄録:徒手整復が困難で観血的整復術を必要とした母趾IP関節背側脱臼の2例を経験したので報告する.症例1は57歳の男性で,高所より転落した際に右母趾IP関節の背屈を強制され受傷した.X線像上母趾IP関節の背側脱臼を認めたため,徒手整復を試みるも整復されず観血的に整復した.症例2は25歳の男性で,自動車を運転中,ブレーキを踏んだ状態で壁に激突し受傷した.単純X線像にて右母趾IP関節の開大と小さな骨片が確認され,透視下に徒手整復を行ったが関節裂隙の開大は改善されず,観血的に脱臼を整復した.徒手整復が困難となる病態としては,一般にIP関節底側のplantar plateが,種子骨を伴って関節内に嵌頓するためと言われており,X線像上種子骨が確認されなくても,肉眼解剖では高率に存在することが報告されている.したがって,本外傷の治療には種子骨の有無にかかわらず観血的整復術を念頭に置くことが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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