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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻1号

2003年01月発行

文献概要

論述

脊髄麻痺患者の下肢痙縮に対するくも膜下フェノールブロック

著者: 尾鷲和也1 鈴木聡2 佐本敏秋2

所属機関: 1市立酒田病院整形外科 2山形県立総合療育訓練センター整形外科

ページ範囲:P.5 - P.12

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 抄録:ADLに支障を来した下肢・体幹痙縮に対する痙性除去法として,歩行および自立排尿不能な脊髄麻痺患者7例にくも膜下フェノールブロックを行った.まず脊椎麻酔剤によるテストブロックで効果と膀胱直腸への影響を確認し,後日10%フェノール・グリセリンとイソビスト1:1混合液をくも膜下に片側につき1~4ml注入し,30分側臥位のまま固定した.髄膜刺激症状が1例みられた以外は治療を要する副作用は生じなかった.全例で痙性が消失し,ADL向上,痛み・しびれ感の軽減,自律神経反射の消失などがみられた.一方,問題点としては便秘傾向2例,移動時の軽度尿失禁2例,肛門括約筋弛緩による浣腸使用時の液漏れ1例などがみられた.下肢痙縮は2~24(平均9)カ月で再発し,患者の希望により5例で複数回のブロックを行った.本法は有期限という問題はあるが効果が確実かつ簡便で侵襲が少なく,痙性除去法のひとつとして広く試みられてよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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