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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻1号

2003年01月発行

文献概要

論述

明らかなすべりのない椎間における腰椎の前後方向への椎体動揺性と臨床症状との関連

著者: 笠原孝一1 井口哲弘1 栗原章1 金村在哲1 赤浦潤也1

所属機関: 1神戸労災病院整形外科・勤労者腰痛センター

ページ範囲:P.23 - P.30

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 抄録:明らかな変性すべりがなく腰下肢症状を呈する810例の患者で,L4/5椎間におけるL4の前後方向への椎体動揺性をX線機能撮影を用いて調査し,動揺性の程度と臨床症状との関連について検討した.さらに椎体動揺性が症状の経時的な変化に及ぼす影響についても追跡調査を行った.その結果,明らかなすべりのない椎間では4mm以上の椎体動揺性を呈するものは3%しか認めなかった.臨床評価では,3mm以上の椎体動揺性を有する症例は,それ未満のものに比べて症状の改善が不良で日常生活の制限も強かった.また,3mm以上の椎体動揺性は,下肢症状のない場合には腰痛の増悪因子となり,下肢症状のある場合には臨床症状の回復阻害因子となっていた.したがって,初診時に明らかなすべりが認められなくても,3mm以上の動揺性を有する症例には予後をよく説明したうえで積極的な治療の介入が必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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