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整形外科philosophy
骨肉腫研究から学んだこと
著者: 石井清一1
所属機関: 1札幌医科大学整形外科
ページ範囲:P.37 - P.41
文献購入ページに移動40年ほど前の1962年,私は島敬吾教授が主宰されていた北海道大学整形外科の大学院に入学した.教授室に挨拶にうかがったその場で,骨腫瘍を研究テーマにするように申し渡された.その数年前に松野誠夫助教授は米国留学から帰国されており,わが国では新しい分野に属する骨腫瘍の研究に着手しておられた.自分の研究テーマができたことで,学生時代とは違う自分になったような気がして,心にときめきを感じたのを想い出す.
私が骨腫瘍の研究を始めた頃は,腫瘍学全体が活気に満ち,そのなかで色々な分野が動き出しているのをひしひしと感じた時代であった.ワトソンとクリックが,20世紀最大の発見といわれるDNAの二重らせん構造を発見したのは1953年である.腫瘍学における分子生物学が黎明期を迎えようとしていた.染色体を中心とした細胞遺伝学,それに腫瘍免疫学の分野では,腫瘍に対するこれまでの認識を新たにする新事実が次々に発見されていた.
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