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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻1号

2003年01月発行

文献概要

臨床経験

多発性神経鞘腫4例の治療経験と本邦報告例の検討

著者: 高橋勇次1 守屋秀繁1 六角智之2

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院整形外科学 2千葉市立病院整形外科

ページ範囲:P.75 - P.80

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 抄録:神経鞘腫は一般に単発性であり,多発することは神経線維腫症(NF)に合併する場合を除き稀であるとされているが,近年,末梢神経や脊髄神経系に発生し,いわゆるNFとは異なる病態を示す多発性神経鞘腫の報告例が多くみられるようになってきた.今回われわれは,本邦において1964年から1998年まで医学中央雑誌に掲載され,“多発性神経鞘腫”と題された論文,抄録120例のうちNFとは異なる病状を呈したもの85例に自験例4例を加えた89例を対象とし,検討を行った.臨床的に,発生する神経が同一か否かという異所性の有無と,個々の腫瘍が臨床的に発見された時期に時間差があるかどうかという異時性の有無について分類した.文献による報告例では85例中57例が,自験例では4例すべてが異時性,異所性のいずれかを認めた.日常診療において神経鞘腫に遭遇した場合,多発性であることを念頭に置き,注意深く診察を行うべきと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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