文献詳細
症例報告
文献概要
抄録:比較的稀な大腿四頭筋腱皮下断裂の1例を経験した.症例は60歳,男性,肥満体.2001年8月7日,階段を踏み外し受傷.左膝の疼痛,歩行困難のため翌日初診.左膝の腫脹が強く,膝蓋跳動と膝蓋骨上部の陥凹を認め,関節可動域は自動運動で30~60°と制限されていた.MRIで,大腿四頭筋腱の断裂を認めたため,同年8月31日左大腿四頭筋腱縫合術および補強術を施行した.大腿四頭筋腱は膝蓋骨付着部で断裂し,断裂部をパナロックアンカーにて縫合後,冨士川法でLeeds-Keio人工靱帯を用いて補強した.術後14週で,可動域は0~120°,自動完全伸展可能となった.本症例は,素因として肥満,加齢が存在し,介達外力により膝伸展位での屈曲を強制されて受傷したと考えられた.
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