icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻1号

2003年01月発行

文献概要

症例報告

非定型抗酸菌(Mycobacterium abscessus)による有鉤骨骨髄炎の1例

著者: 光野芳樹1 廣藤栄一1 西松秀和1 近藤啓1 吉田憲治1 池田光正1 伊藤岳之1 長坂陽子2

所属機関: 1天理よろづ相談所病院整形外科 2天理よろづ相談所病院臨床病理部

ページ範囲:P.93 - P.96

文献購入ページに移動
 抄録:症例は57歳男性.当院神経内科で重症筋無力症に対し,ステロイド,免疫抑制剤の投与を受けていた.主訴は右手背部の疼痛であった.2000年10月11日当科初診.抗生剤内服にて経過観察するものの徐々に症状が増悪してきた.外来での穿刺および切開排膿による培養検査所見,X線所見にてMycobacterium abscessusによる右有鉤骨骨髄炎と考え2001年2月20日病巣郭清術を施行した.有鉤骨の部位に一致した病的肉芽組織が認められた.病的肉芽組織の郭清,有鉤骨をほぼ一塊として摘出した.摘出標本による培養検査にてもM. abscessusと同定された.以上よりステロイド,免疫抑制剤の服用による免疫能低下症例に発生したM. abscessusによる右有鉤骨骨髄炎と考え,イミペネムの留置チューブからの局所注入,および点滴静注を行い炎症症状は軽快した.重症筋無力症の合併のため抗菌剤の内服投与は行っていないが,幸い現在のところ感染の再燃は認められていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら