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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻1号

2003年01月発行

文献概要

症例報告

大腿骨遠位後十字靱帯付着部に発生した軟骨芽細胞腫の1例

著者: 鈴木孝治1 葛城良成1 川村大介1 片山直行1 三浪三千男1 松野誠夫1 松野丈夫2

所属機関: 1北海道整形外科記念病院 2旭川医科大学整形外科

ページ範囲:P.107 - P.111

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 抄録:大腿骨遠位後十字靱帯付着部に発生した軟骨芽細胞腫の1例を経験したので報告する.症例は24歳,男性.2001年4月頃より誘因なく,左膝最大屈曲時に痛みを感じた.単純X線像で大腿骨骨端部内顆外側に円形の溶骨性病変を,CTで斑点状の高輝度像を,MRIではT1,T2で低信号部に中等度信号を認めた.腫瘍の増大の可能性,確定診断のため関節切開による手術を行った.PCLの機能を障害しないように腫瘍を掻爬し,リン酸カルシウム骨ペーストを充塡した.病理所見では軟骨芽細胞腫に特徴的な円形~卵円形の核を有し,好酸性の胞体をもつ境界明瞭な腫瘍細胞やchicken-wire calcificationが認められた.骨欠損部分の充塡材料としてのリン酸カルシウムペーストは移植骨,人工材料に比べ様々な利点を有する.荷重部に使用するには異論もあると思われるが,本症例のように非荷重部への利用は有用であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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