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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻10号

2003年10月発行

文献概要

論述

変形性股関節症に対するオマリー変法筋解離術の長期成績

著者: 藤井克之1 大谷卓也1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学整形外科

ページ範囲:P.1287 - P.1293

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 抄録:教室における変形性股関節症に対するオマリー変法筋解離術90例93関節の術後平均20年の長期成績を検討した.約7割の症例では術直後ないし1年以内に明らかな除痛効果が得られ,術後平均14年頃から疼痛の再発傾向が認められた.約2割の症例では術後約5年の経過で徐々に疼痛が軽減したが,その後の疼痛の再発傾向は少なかった.約1割の症例では明らかな除痛効果は得られなかった.THAなど追加手術を受けた時点を終点とした生存曲線では,術後10年,20年における生存率は90%,71%で,追加手術を受けていない症例の術後平均20年におけるJOAスコアは72点であった.術後,疼痛点は経過年数に,また,歩行能力とADL点は加齢にそれぞれ相関して徐々に低下する傾向がみられた.筋解離術は変形性股関節症に対する他の関節温存手術の成績と比較して遜色ない長期成績を示し,その手術侵襲が小さいことからも有用性の高い術式と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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