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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻10号

2003年10月発行

文献概要

症例報告

透析患者の手指MP関節に発症したアミロイド関節炎の1例

著者: 柳浦敬子1 山本哲司1 丸井隆1 秋末敏宏1 人羅敏明1 河本旭哉1 黒坂昌弘1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1331 - P.1334

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 抄録:長期の透析に伴う合併症の1つとして関節周囲のアミロイドの沈着による様々な症状が報告されている.今回われわれは手指の中手骨指節骨間(MP)関節に単独で発症したアミロイド関節炎の1例を経験した.症例は45歳の男性で右中指MP関節の腫脹と疼痛を主訴に来院した.理学所見上,MP関節の腫脹,熱感,圧痛を認めた.単純X線像ではMP関節は橈側に亜脱臼しており,関節裂隙の狭小化を認めた.MRIにて関節内にT1強調像で低信号,T2強調像で高信号の領域を認め,またガドリニウムで造影効果を認めたため,滑膜の増殖と考えた.症状が持続するため滑膜切除術を施行した.病理組織学的には,関節滑膜の増殖と炎症細胞の浸潤がみられ,Congo-red染色にて滑膜の一部にアミロイドの存在を確認することができた.透析患者の関節病変として本症は念頭に置くべき疾患である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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