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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻10号

2003年10月発行

文献概要

症例報告

特発性脊髄ヘルニアの1例

著者: 細江英夫1 若原和彦1 赤池敦1 坂口康道1 宮本敬1 野沢聡1 小原明1 西本裕1 清水克時1

所属機関: 1岐阜大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1339 - P.1343

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 抄録:特発性脊髄ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は,63歳,女性.20年前から左下肢のしびれを自覚.下肢知覚障害,下肢筋力低下の進行により1年前より歩行不能となり,膀胱直腸障害も認めるようになった.MRIでは,T4/5高位で脊髄陰影の欠損途絶とその頭尾側で腹側への偏位を認め,CTMでは,脊髄は腹側に痕跡的に認めるのみであった.椎弓切除,硬膜切開した後,左側第4胸髄神経根と第4,5胸椎高位の両側歯状靱帯を切離し脊髄腹側部を観察した.硬膜欠損部に陥入した脊髄は絞扼され可動性を認めなかった.硬膜内層を切開切除することにより,赤褐色に変色した舌状の嵌頓脊髄は背側へ移動した.術後,知覚障害,下肢筋力,膀胱直腸障害は改善した.極めて稀とされてきた本疾患であるが,MRIの普及とこの疾患の認識の広まりにより報告は100例を超えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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