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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻11号

2003年11月発行

文献概要

視座

最小侵襲手術の現況

著者: 大塚隆信1

所属機関: 1名古屋市立大学整形外科

ページ範囲:P.1353 - P.1354

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 先日の朝日新聞に,『切らぬ乳癌治療を臨床研究―20余の病院が10月から』との題にて,手術せずに治療できる究極の乳房温存に関する記事が掲載された.外科領域ではどの科においても最小侵襲手術が,最近のトピックスになっている.最小侵襲手術の究極は,手術を行わないことであるが,この記事は,乳腺外科が究極の目標に到達しつつあることを意味している.おそらく数年先には,乳癌に続き他の手術も必要なくなる可能性が大と思われる.

 整形外科領域で最もその可能性が高いのは,関節リウマチの手術である.現在は人工関節,滑膜切除術をはじめとして,多くの手術が行われている.しかし近年サイトカイン(IL-1,TNF-α)の関節リウマチ滑膜炎症機序が明らかになり,これらのサイトカインに直接作用する薬剤が登場してきた.またこれらの薬剤が,骨軟骨の破壊進行を防止する効果も明らかとなっている.これに伴い近い将来,関節リウマチに対する手術がなくなることはないが,激減するだろうと予想されている.その他の関節の手術は,ナビゲーションなどを利用した最小侵襲人工関節手術,関節鏡視下手術がますます多くなるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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