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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻11号

2003年11月発行

文献概要

手術手技/私のくふう

腰部脊柱管狭窄症に対し後方軟部支持組織を温存する術式―棘突起縦割式椎弓切除術

著者: 渡辺航太1 細谷俊彦1 白石建2

所属機関: 1総合太田病院整形外科 2済生会宇都宮病院整形外科

ページ範囲:P.1401 - P.1406

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 抄録:腰部脊柱管狭窄症における腰椎椎弓切除術は,後方支持組織に対する侵襲が大きくなることが欠点とされている.そこでわれわれは,後方支持組織を極力温存する椎弓切除術(腰椎棘突起縦割式椎弓切除術)を試みた.症例は72歳,女性.間欠跛行と両足部の筋力低下および知覚障害に対し,L3-5の除圧術を施行した.L4棘突起を付着する傍脊柱筋と棘間靱帯は剥離せず,正中で縦割した.縦割した棘突起は基部より分離させ,左右に展開し,除圧を行った.除圧後,棘突起および棘間靱帯は締結し温存した.術後経過は良好で,脊柱弯曲の増悪は認めていない.またMRIで計測した傍脊柱筋の萎縮率は7%であった.本法の利点は,まず縦割した棘突起およびそれに付着する棘上・棘間靱帯が温存され,しかも開窓術や片側進入両側除圧術と比べ広い視野が得られる点である.さらに,棘突起より筋を剝離しないので,傍脊柱筋への損傷が最小限に抑えられる点である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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