icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻11号

2003年11月発行

文献概要

臨床経験

頚椎前方固定術における移植骨採取法―腸骨内側半層骨採取は術後の採骨部痛を軽減する

著者: 雄山博文1 池田公1 井上繁雄1 勝又瞬1 渋谷正人1

所属機関: 1社会保険中京病院脳神経外科

ページ範囲:P.1445 - P.1449

文献購入ページに移動
 抄録:頚椎前方固定術における腸骨移植骨採取の合併症につき,全層骨および内側半層骨採取の2群に分けて検討した.症例全体をみると,術後の採骨部痛は全層骨採取法の40.5%,内側半層骨採取法の38.5%に生じ,うち術後2週間を越える痛みは全層骨採取法の16.2%,内側半層骨採取法の7.7%であった.採骨部痛を生じた例のみをみると,全層骨採取法の66.7%で痛みが6日以上継続したのに対し,内側半層骨採取法の80%で痛みが5日以下で止まっていた.以上,内側半層骨採取法は全層骨採取法と比べ,術後の採骨部痛を軽減する効果のあることがわかったが,その理由としては腸骨外側に強固に付着する筋肉を温存できることが考えられた.腸骨が十分な厚みを有しているときは,腸骨内側半層骨採取法においても十分量の移植骨を採取でき,術後の採骨部痛の軽減と併せ,よい方法であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら