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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻11号

2003年11月発行

文献概要

症例報告

鎖骨骨折に鋼線刺入固定術を行って腕神経叢麻痺を来した1例

著者: 柳下昌史1 池田和夫1 山内大輔1 納村直希1 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学整形外科

ページ範囲:P.1451 - P.1454

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 抄録:症例は60歳の女性で,前医で鎖骨骨折に対して鋼線刺入固定術を施行された.術翌日から左上肢の疼痛と筋力低下が出現した.鎖骨中1/3の骨折で,短縮転位と鋼線による角状変形が著明であった.骨片が腕神経叢を圧迫して麻痺が発生したと考えて抜釘および内固定術を行った.術後麻痺は速やかに回復した.鎖骨骨折の骨折部位を過去の症例および文献的に調査した.その結果,本例のような腕神経叢直上での骨折は2.5%であった.本例は稀な骨折部位,鋼線固定により生じた骨折部の短縮転位と角状変形という特殊な条件が重なって麻痺が生じた症例と考えた.この部位の骨折に対しては直下の腕神経叢に注意して治療法を選択する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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