icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻11号

2003年11月発行

文献概要

症例報告

非外傷性小指伸筋腱脱臼の1例

著者: 宮本雅文1 八木省次1 三橋雅1 西岡孝1 花岡尚賢1 久保貴博1 小林亨1

所属機関: 1高松赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.1471 - P.1474

文献購入ページに移動
 抄録:小指総指伸筋腱が欠如し,小指伸筋腱が2本に分かれ,その2腱間の非外傷性解離により,2本の腱が屈曲時にそれぞれ橈尺側に脱臼する.その結果,2腱間から中手骨頭がボタン穴様に現れる稀な1例を報告する.51歳,男性.2年前から誘因なく,右小指に弾発現象が出現した.小指総指伸筋腱は欠如し,環指総指伸筋腱と小指伸筋腱との間に,Y字型腱が存在した.小指伸筋腱は2本に分かれ,指背腱膜の一部とその中枢付近には瘢痕組織が存在し,2本の腱間の結合は解離していた.小指を屈曲すると,2本の小指伸筋腱はそれぞれ橈尺側に脱臼し,その間から第5中手骨頭がボタン穴様に現れる.伸展すると脱臼した2本の腱は中手骨頭を背側に滑り上がり,その時小指は弾発現象を伴う.そこで2腱間を側側縫合して,3週間の外固定後リハビリテーションを開始した.術後10カ月現在,可動域制限や弾発現象もなく経過良好である.中手指節関節(以下MP関節)背側における伸筋腱の脱臼は,関節リウマチに発症するもの以外は比較的稀である.今回われわれは,小指MP関節に発症した非外傷性の伸筋腱脱臼の1例を経験し,観血的治療で良好な結果を得たので,若干の文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら