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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻12号

2003年12月発行

文献概要

論述

腰椎疾患診断における病歴の重要性の検討

著者: 伊藤研二郎1 井口哲弘1 栗原章1 山崎京子1 佐藤啓三1 笠原孝一1 金村在哲1 赤浦潤也1

所属機関: 1神戸労災病院整形外科・勤労者腰痛センター

ページ範囲:P.1505 - P.1511

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 抄録:病歴のみで腰椎部疾患の診断がどの程度可能であるかを調査するため,診断が確定している腰椎10疾患,100例の病歴を抽出し,整形外科医53名にこれらの病歴のみからの診断を依頼した.そして卒後年数,専門医資格および脊椎専門病院での研修歴の有無による診断率の差について比較検討した.2回答選択性とし,どちらかが正解であれば正答とすると,全体では75%の高い正答率が得られた.しかし,卒後5年未満の研修医はそれ以上の医師と比較して有意に正答率が低かった.また日整会の非専門医であっても脊椎専門病院で研修した医師は日整会専門医と同率の正答率を得ており,研修の重要性が確認できた.10疾患のうち正答率が特に低かったのは分離すべり症,化膿性脊椎炎,椎間孔外ヘルニア,馬尾腫瘍の4疾患であった.十分な病歴と神経学的所見に基づき,適切な補助診断法を選択する必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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