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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻12号

2003年12月発行

文献概要

症例報告

軟部肉腫との鑑別を要した遺残ガーゼによる異物肉芽腫の2例

著者: 菅原正登1 小山内俊久1 佐竹寛史1 荻野利彦1 大類広2

所属機関: 1山形大学医学部整形外科 2国立療養所米沢病院整形外科

ページ範囲:P.1563 - P.1566

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 抄録:遺残ガーゼによる異物肉芽腫(以下,gossypiboma)の2例について画像所見を中心に報告する.症例1は37歳の女性である.19歳時に腰椎椎間板ヘルニアの手術の既往がある.1999年10月,腰痛のためMRIを行い,左腰部傍脊柱筋内に腫瘤が認められた.2000年3月,切開生検時にガーゼ片を認め,gossypibomaと診断し腫瘤を摘出した.症例2は64歳の女性である.36歳時に右横隔膜穿孔の手術の既往がある.2000年7月,健康診断にて右背部腫瘤を指摘された.2001年11月,切開生検を行い,病理組織検査で異物肉芽腫と診断され腫瘤摘出術を施行した.術後標本で遺残ガーゼを確認した.2例に共通するMRI所見は①境界明瞭な卵円形の腫瘤である,②T2強調像で不均一な内部構造を示す,③中心部がGd-DTPAで造影されないことであった.これらは,壊死を伴う悪性腫瘍にもみられる所見であり,gossypibomaが疑われた場合でも,生検による病理学的診断が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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