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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻12号

2003年12月発行

文献概要

症例報告

高度後側弯を呈した神経線維腫症の1例

著者: 本郷道生1 島田洋一1 阿部栄二2 宮腰尚久1 鈴木哲哉1 井樋栄二1

所属機関: 1秋田大学医学部整形外科 2秋田組合総合病院整形外科

ページ範囲:P.1567 - P.1571

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 抄録:神経線維腫症に伴う高度後側弯に対し二期的前後合併手術を行った症例を報告する.症例は1歳時に神経線維腫症と診断された14歳男児で,単純X線上T4-10で後弯120度,側弯56度と高度の胸椎後側弯が認められた.手術はまずT4-8の前方解離術を行い,2週間の頭蓋直達牽引後に,インストゥルメントを用いたT1-L1後方固定術,および前方遊離腓骨移植術を行った.後弯は65度,側弯32度まで矯正され,神経麻痺,血管損傷など合併症はなかった.術後4年10カ月の現在,後弯は75度で,良好な骨癒合と矯正が得られている.神経線維腫症に伴う高度な脊柱変形に対する矯正固定術では,脊髄麻痺や大血管損傷などの重大な合併症が報告されている.われわれは確実な前方解離と直達牽引による整復,高さの低いインストゥルメントの選択により,合併症を防ぎ良好な整復・骨癒合を得ることができた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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