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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻12号

2003年12月発行

文献概要

症例報告

母指形成不全(type Ⅲ-B)に対し血管柄付き足趾PIP関節移植により再建を行った1例

著者: 三浦一志1 藤哲1 工藤悟1 西川真史1

所属機関: 1弘前大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1573 - P.1577

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 抄録:母指形成不全に対し足趾関節移植により機能再建を行った1例を経験したので報告する.患者は5歳,女児.右母指形成不全.X線所見で中手骨基部からCM関節基部にかけて欠損したBlauth分類Type Ⅲ-Bの母指形成不全であった.右第2趾PIP関節をドナーとして関節移植による機能再建を行った.ドナー側は右腓骨骨幹部からの遊離骨移植にて再建した.関節移植後8カ月で対立再建のためHüber-Littler法による短母指外転筋の移行および固有示指伸筋腱,中指浅指屈筋腱の移行を追加した.関節移植後39カ月の時点で,移植関節は完全に生着しPIP関節の骨端線も開存しており,移植関節部は骨長で約13%の成長がみられたが,ドナー側では移植骨は吸収され短縮変形を生じた.文化的背景などから指数の減少が好まれない場合には,母指形成不全に対して足趾関節移植による母指機能再建術はよい適応となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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