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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻12号

2003年12月発行

文献概要

症例報告

胸髄内へ進展,発育したと考えられた神経鞘腫の1例

著者: 重松英樹1 高伸夫1 米田岳史1 中井敏幸1 久貝充生1

所属機関: 1済生会富田林病院

ページ範囲:P.1579 - P.1583

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 抄録:脊髄内に発生する神経鞘腫の報告は少ない.今回われわれは胸髄軟膜と根糸の境界部に発生し脊髄軟膜下に発育したと考えられた神経鞘腫を経験したので報告する.症例は49歳,女性.患者は2002年2月末より背部痛が出現し,4月頃より両下肢のしびれ感,右下肢の脱力による歩行障害のため,同年7月12日当科を受診した.MRI,CTM,ミエログラムにて第1胸椎下縁から第2胸椎椎体レベルの硬膜内髄外病変が疑われ,CTMでは髄表病変の可能性も示唆されたため,同年8月7日,顕微鏡下摘出術を行った.病変は尾側に後根糸を含んでいたが,脊髄との境界面は不明瞭で病変より頭側の根糸は確認できなかった.摘出標本は神経鞘腫であった.本症例は脊髄軟膜と後根糸の境界部のSchwann細胞から発生し軟膜下に進展,発育したものと考えられた.また術前検査において,腫瘍と脊髄との局在関係の評価でCTMが有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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