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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻12号

2003年12月発行

文献概要

症例報告

EMS機器使用にて長内転筋部に筋ヘルニアが生じた1例

著者: 藤井唯誌1 高井哲郎1 賀代篤二1 岩見豊仁1 高倉義典2

所属機関: 1高清会高井病院整形外科 2奈良県立医科大学整形外科学

ページ範囲:P.1585 - P.1588

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 抄録:筋膜の脆弱部分より筋実質が突出した筋ヘルニアは,多くは非外傷性で,特に前けい骨筋に生じるとされ,大腿部の報告は極端に少ない.今回,63歳,男性の大腿長内転筋に発生した筋ヘルニアを経験した.術中,筋膜の欠損部より正常筋肉が一部はみ出し膨隆しているのが観察された.ポリプロピレン製Mesh plugを筋膜欠損部にあて,周囲を縫合することにより筋膜を補強した.術後経過は良好であるが,ポリプロピレン製メッシュによる緩やかな皮膚の隆起が残存した.本症例は高齢者で,特に原因と確定できる筋肉の過剰な負荷や直達外力は明らかにはできなかった.しかし,EMS機器を同部に使用していたため,その発症原因として,過度の電気刺激による筋肉の過度の収縮が生じ,比較的脆弱な長内転筋の筋膜を損傷したのではないかと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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