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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻2号

2003年02月発行

文献概要

シンポジウム 膝複合靱帯損傷に対する保存療法および観血的治療の選択

PCL損傷合併例に対する治療選択

著者: 吉矢晋一1 黒坂昌弘1 松井允三1 黒田良祐1 水野清典1 山口基1

所属機関: 1神戸大学大学院医学系研究科器官治療医学講座運動機能学

ページ範囲:P.151 - P.155

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 抄録:後十字靱帯(PCL)靱帯損傷を合併する複合靱帯損傷膝に対するわれわれの治療経験について,新鮮損傷例を中心に検討した.新鮮例でのわれわれの従来の治療方針は,内側側副靱帯(MCL)損傷合併例に対しては保存的治療,外側支持機構(LC)損傷合併例にはLCへの一次修復術を行い,可動域が回復した時点で,残存する不安定性に対し必要に応じ靱帯再建術を行った.また,前十字靱帯損傷(ACL)合併例に対しては,付着部損傷には急性期の修復術を,そして実質部損傷例では,前述のMCL/PCL損傷例と同様の方針で治療を行った.その結果,PCL損傷による後方不安定性の存在は初期治療後の不安定性残存の要因となっていた.また,陳旧損傷例に対する二次的PCL再建術の成績は不良であった.2000年以降,複合靱帯損傷膝新鮮例の治療においては,PCL損傷には付着部損傷への一次修復術をより積極的に行う,実質部損傷での再建術の時期を亜急性期にする,という方針に変更した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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