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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻2号

2003年02月発行

文献概要

論述

二分脊椎児の運動麻痺レベルと歩行能力について

著者: 落合信靖1 亀ヶ谷真琴1 西須孝1 守屋秀繁2

所属機関: 1千葉県こども病院整形外科 2千葉大学大学院医学研究院整形外科学

ページ範囲:P.173 - P.178

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 抄録:残存運動最下髄節L3,L4レベルの麻痺を有する二分脊椎児(者)37例の歩行能力を分類し,歩行能力に影響を及ぼす因子について統計学的に検討した.検討項目は,1)body mass index(BMI),2)股関節脱臼の有無,3)関節拘縮:a)20°以上の屈曲拘縮を有する股関節,b)20°以上の屈曲拘縮を有する膝関節,c)何らかの手術を要する足関節,4)筋力(MMT):a)腸腰筋,b)大腿四頭筋,c)前けい骨筋,5)Cobb角20°以上の側弯症の有無,6)Shuntの手術回数,7)Arnord-Chiari奇形の有無,の以上7項目であり,歩行能力との関係につき検討した.その結果,膝関節・股関節の拘縮,Cobb角20°以上の側弯症で統計学的有意差を認め,歩行能力に大きく関与しているものと思われた.よって,二分脊椎児(者)の歩行能力を向上させるためには,手術的または装具により可能な限りこれら影響因子を改善し,かつ腸腰筋,大腿四頭筋の筋力を日頃強化することが重要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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