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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻2号

2003年02月発行

文献概要

論述

頭蓋頚椎移行部疾患―自覚症状と神経学的所見の特徴

著者: 荒文博1 菊地臣一1 矢吹省司1 五十嵐環1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.179 - P.185

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 抄録:頭蓋頚椎移行部疾患(以下,頭頚疾患)は,症状が多彩なためにときに診断が困難であり,見逃される可能性がある.そこで,本疾患の診断の一助となる特徴を同定するため頭頚疾患の自覚症状と神経学的所見を後ろ向きに検討した.対象は,1987年から1998年にかけて手術を施行した神経症状を有する頭頚疾患の40例である.対照として,中下位頚髄症の36例を用いた.両群間で,初発症状,術前の主訴,延髄圧迫症状,椎骨動脈循環不全症状,脊髄症状,脊柱所見,および神経学的所見を調査し比較検討した.その結果,頭頚疾患に特徴的な症状は,出現頻度は低いが,延髄圧迫症状や椎骨動脈循環不全症状であった.さらに,神経学的所見として,scapulohumeral reflexの亢進,頚部を含む表在性知覚障害,そして僧帽筋の筋力低下が認められる場合に,頭頚疾患である可能性が高いと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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