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整形外科/知ってるつもり
EBM
著者: 田中優1 福原俊一1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科健康解析学講座理論疫学
ページ範囲:P.194 - P.195
文献購入ページに移動Evidence-based Medicine(EBM)とは,入手可能な範囲で最も信頼できる根拠(evidence)にもとづき,さらに患者の価値観と医師の経験や力量を考慮に入れ個々の患者の診療の臨床的決断を行うことである.EBMは,近年飛躍的に進歩した情報技術と臨床疫学(Clinical Epidemiology)を基盤としている.
大切なことは,臨床的決断はevidenceだけでは決まらないことである.evidenceと患者の価値観や現場の状況(preference & circumstance)と医療者の力量(expertise)を統合して臨床的決断を行う必要がある.医師の経験や技能を無視したり,患者の価値観を考慮しないのはEBMの誤解である.科学的な根拠とともにこれらとの統合が不可欠であり,同じevidenceを得た場合でも状況によって臨床決断は異なってくるのである.
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