icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻2号

2003年02月発行

文献概要

臨床経験

骨付き膝蓋腱による前十字靱帯再建術後の成績不良症例についての検討

著者: 小島博嗣1 山崎悟2 原田基1 玉置哲也2

所属機関: 1和歌山労災病院整形外科 2和歌山県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.207 - P.211

文献購入ページに移動
 抄録:骨付き膝蓋腱(BTB)を用いたACL再建術は,多くの症例で満足のいく結果が得られている.しかし,術後の膝前面痛ならびに膝伸展制限の発生も報告されている.今回われわれは術後1年以上経過観察可能であった70症例のうち術後成績不良症例8例について術後の膝前面痛ならびに膝伸展制限の発生率を調べた.さらにX線学的に骨孔設置位置,骨片とスクリューの相互関係を調べ術後成績不良症例との関連性を検討した.その結果,術後5/8例(62.5%)がLachman test(+)であった.膝前面痛の発生率は5/8例(62.5%)で,特に30歳以上の女性では3/3例(100%)であった.膝伸展制限の発生率は3/8例(37.5%)であった.X線像で不良症例はけい骨骨孔の設置位置が前外側よりであった.BTBを用いるACL再建術では,30歳以上の女性で膝前面痛の発生率が高いので注意が必要である.またけい骨骨孔の設置位置が前外側寄りにならないようにするのが大事であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら