icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻2号

2003年02月発行

文献概要

症例報告

治療に難渋した側弯症術後深部感染の2例

著者: 尾鷲和也1 鈴木聡2 佐本敏秋2

所属機関: 1市立酒田病院整形外科 2山形県立総合療育訓練センター整形外科

ページ範囲:P.219 - P.224

文献購入ページに移動
 抄録:側弯症手術後深部感染の2例を経験した.症例1は11歳,二分脊椎患者のTh5~骨盤までの後方手術例で,持続洗浄,掻爬を繰り返したものの鎮静化せず,インストゥルメントが露出したまま開放療法で創閉鎖を得たが,炎症反応が持続した.術後1年時に腸骨スクリューの弛みが生じ,結局1年8カ月でインストゥルメントを抜去し,主弯曲部の骨癒合と炎症の鎮静化をみた.症例2は4歳の先天性ミオパチー例で前後合併手術を行ったが,6カ月時に後方手術創に皮下膿瘍が生じ,インストゥルメントの部分抜去と掻爬を繰り返したが治癒せず,結局10カ月時に後方インストゥルメントの全抜去を行い,骨癒合と炎症の鎮静化をみた.側弯症術後深部感染が掻爬や持続洗浄等を行っても鎮静化しない場合はインストゥルメントの抜去もやむを得ないが,全身あるいは局所の症状が強くなければ早期に抜去せず,骨癒合がある程度期待できる時期まで待つべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら