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整形外科領域における薬物療法の進歩
著者: 齋藤知行1
所属機関: 1横浜市立大学医学部整形外科
ページ範囲:P.243 - P.244
文献購入ページに移動骨粗鬆症が単なる老化現象から骨代謝疾患として認識されたのは,わずか10年前の1994年である.患者数が多いことから大規模な疫学調査が行われ,治療薬としてHRP(hormone replacement therapy),カルシウム製剤,カルシトニン製剤,活性型ビタミンDが開発され,臨床の現場で広く用いられてきた.しかし,これまでの骨吸収抑制剤による治療は,骨量の維持が限界であり効果の判定が困難であった.近年,骨粗鬆症は骨量の減少と骨微小構造の異常をきたし,骨折の危険性が高まった全身性疾患と定義され,診断基準は骨折の予見性に重点が置かれたものに改定された.積極的に高齢者の骨折発生を予防し,QOLの維持および向上を治療目的としている.その治療薬として第三世代のビスフォスフォネート製剤が登場した.海外での大規模治験結果では,骨量を明らかに増加させ骨折予防効果があることが証明され,整形外科以外にも内科,産婦人科などで骨粗鬆症の治療への関心が高まりつつある.
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