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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻3号

2003年03月発行

文献概要

シンポジウム 腰椎変性すべり症の治療

腰椎変性すべり症に対する腰椎椎管拡大術

著者: 小田裕胤1 加藤圭彦1 木村光浩1 藤本英明1

所属機関: 1新南陽市民病院整形外科

ページ範囲:P.257 - P.264

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 要旨:腰椎変性すべり症ではすべり下位の椎体後上縁部で脊柱管の前後径が最も狭小となり,横断面積も狭くなる.そこで,脊柱管狭窄症状を呈する腰椎変性すべり症の手術的治療に際して,このすべり下位の椎体後上縁部を含めた全周性除圧が必要と考える.全周性除圧を実施し,術後平均4.5年を経過した73例の腰椎椎管拡大術症例の術後調査から,治療成績は改善率79.4%であり,5段階評価では優:70%,良:23%,可:7%と優の比率が高く成績は良好で不変,悪化例は認めない.加えて拡大脊柱管の術後推移をみると,すべり下位椎体後上縁部の切除部には,前方へとシフトした硬膜管の形態に沿う新たな半円形の前壁が形成され,全体としては円筒形の脊柱管が術後2年以内に完成していることが確認された.この形態は以後長期に維持され,再狭窄を来した症例はない.腰椎椎管拡大術は変性すべり症に対し脊椎固定術の併用を必要としない極めて有用性が高い術式である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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