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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻3号

2003年03月発行

文献概要

総説

最近の脊椎カリエスについて

著者: 藤田正樹1 斉藤正史2 新納伸彦1 糸田瑞央1 箕輪剛1

所属機関: 1国立療養所札幌南病院整形外科 2国立療養所村山病院整形外科

ページ範囲:P.293 - P.300

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 要旨:近年日本では脊椎カリエスの患者数の減少は著しい.そのため脊椎カリエスを診たことのない整形外科医が多くなり,診断と治療が遅れ重篤となる症例が増加している.鑑別診断として結核を常に頭に入れておくべきである.単純X線所見では,椎間板腔の狭小化に椎体上下縁の不整や椎体辺縁の骨欠損を認めたならば,感染特に脊椎カリエスを考えるべきである.CTは診断上非常に有益で,椎体周囲軟部組織の腫脹,椎体後壁の破壊,椎体周囲軟部組織内の石灰化などは脊椎カリエスを強く疑わせる.MRIも重要な所見を与えてくれ,特に病巣椎体の高信号と低信号の混在による不均一な像やGd-DTPAによる造影MRIのrim enhancementは脊椎カリエスを示唆する.Instrumentを使用する報告が増えているが,その使用には慎重であるべきである.いずれれにせよ脊椎カリエスの治療の基本は3剤以上の抗結核薬の投与である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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