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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻3号

2003年03月発行

文献概要

論述

大腿骨頚部骨折における入院中死亡例の検討

著者: 萩野哲男1 石塚謙1 岩窪武2 望月和憲2 渡邉長和2 小野尚司2 小川知周2 浜田良機2

所属機関: 1国立甲府病院整形外科 2山梨大学医学部整形外科

ページ範囲:P.307 - P.310

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 抄録:60歳以上の大腿骨頚部骨折130例のうち,入院中に死亡した症例について調査した.性別は男性29例,女性101例.年齢は平均84歳.治療法は108例に手術を施行し,その内訳は人工骨頭置換術20例,CHSによる観血的整復術67例などで,22例は保存的に加療した.入院中死亡例は130例中11例(8.5%),死亡までの期間は入院後平均104日,死亡原因の多くは肺炎であった.11例中8例に手術を施行したが,術後早期死亡例はなかった.入院時の全身状態の評価では死亡群で有意にリスクが高く,生命的予後に影響する因子の検討では入院時の貧血,電解質異常の両者で有意差をみたが,年齢,痴呆,骨折型,手術施行の有無などでは有意差はなかった.手術施行が直接死亡原因となることはないので,積極的に手術を施行して,よりよい機能的予後を獲得する努力をするべきである.また入院時全身状態評価法でリスク4以上の症例では術前後のより慎重な全身管理などの対応が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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