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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科38巻3号

2003年03月発行

文献概要

臨床経験

仙骨に発生したinsufficiency fractureの4例

著者: 山本晃裕1 鍋島祐次1 黒石昌芳1 須田誠1 藤井英夫1

所属機関: 1姫路聖マリア病院整形外科

ページ範囲:P.345 - P.348

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 抄録:仙骨に発生したinsufficiency fractureの4例を経験し,その臨床的特徴を検討した.症例は全例70歳以上の女性で,4例中3例は股関節周囲の手術既往歴を有していた.全例外傷歴はなく,初発症状は股関節部痛あるいは殿部痛であった.単純X線像では仙骨の骨折線は明らかではなかった.血液生化学的検査にて全例血清ALPの高値を認めた.1例は人工骨頭の弛みを,1例は転移性骨腫瘍を,そして残る2例は当初より本疾患を疑った.全例骨シンチグラフィーを施行し,本疾患に特徴的とされるH字型の異常集積像,いわゆるHonda's signあるいは両仙骨翼の異常集積像を認めた.CT,MRIにて確定診断に至った.高齢女性の股・殿部痛を診察する際は,仙骨insufficiency fractureの存在とその臨床的特徴を念頭に置き診断にあたることが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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